起業、開業と会社設立

「会社設立」はしばしば「独立開業」と同じ意味で使われているのをみかけます。
実際、独立開業と同時に会社を設立する人も多いですが、開業自体は会社を設立しなくてもできることから独立開業はもっと広義ということになります。
おそらく起業しようとした時に、大抵の人が迷うのはこの点ではないでしょうか。
つまり、個人事業主として起業するのか、始めから会社を設立するのかということです。
2006年の会社法施行以降、会社設立に関する条件が、それまでの資本金1千万円以上、役員4名以上というかなり厳しいものから、資本金1年以上、役員1名以上と大幅に緩和されたことから、始めから株式会社ないし合同会社を設立する人は増えていると思われます。
確かに、法人形態をとることによって、個人事業主では得られないメリットを獲得することができます。
中でも大きなものは信用です。
銀行等大手の金融機関から融資を受ける際はもちろん、企業の中には、社会的経済状況の低迷も手伝って、不安定な個人事業とは取引をしないという会社も多いです。
またもっと漠然とした話にはなってしまいますが、何か物を買ったり、サービスを受けたりする時に、個人よりは会社のほうが安心できる、といった消費者側のイメージもあります。
個人事業でも比較的ネットショップ等は開業しやすい分野ではありますが、それでも大手ショッピングサイトでは出店の条件が法人である場合がほとんどです。
そして、おそらく会社設立によってもっとも期待されていることが節税でしょう。
具体的には、均一課税であること、給与所得控除が受けられること、条件に沿っていれば、会社設立後2期間の間消費税が免除になること、赤字の繰り越し控除が7年間受けられること、経費として認められる範囲が広がること等が挙げられます。
ただし住民税に関しては、個人事業主の場合赤字なら支払う必要がありませんが、法人の場合の法人住民税は赤字でも支払う必要がでてきます。
ですが利益が高ければ高いほど、個人事業では最大40パーセントまで税金がかかるのに対し、法人では30パーセントなことから、相応の利益があげられている、もしくは見込めるのであれば法人のほうが税率的なメリットは大きいといえます。
とはいえ、ほぼ開業届1枚で始められる個人事業と違い、会社設立にはそれなりの手続きと手間、時間も必要になります。
最終的には自分の目的にあった起業方法を選ぶことが重要ですが、判断がつかない場合には会社設立に関してのアドバイスを行っている司法書士事務所に相談してみるのもよいでしょう。